キアヌ・リーブス主演、切れ者系、痛快な宗教系映画。
監督・フランシス・ローレンス USA
キアヌ・リーブスという俳優のイメージが変わった映画。主題は、悪魔祓い(エクソシスト)の宗教観のもと、ジョン・コンスタンティン(キアヌ)が活躍するという、いかにもアメリカ映画っぽい分かり易いものとなっている。
以下、ネタバレ要素含みます。
この映画の特徴として、2005年製作にもかかわらず、CGがほとんど違和感なく実写部分と溶け込んで見事に、この世あらざる絵を創り出している所が挙げられる。映画冒頭のWB(ワーナー)の文字が荒野を思わせる乾いた風で、吹き飛んでいくシーンは個人的に好きなシーンの一つ。その後、おそらくフィルムカメラで撮影している粒状感たっぷりのメキシコでの運命の槍とのファーストコンタクトのシーンへの移行は非常になめらかで、これは良い映画だなと期待感が膨らんだ。映画にしろ、お笑いにしろ何にしろ、つかみはやはり大事だと思う。
映画中、印象的なのはやはり、キアヌ・リーブスのタバコを吸っているシーン(設定では15歳からのヘビースモーカー)である。しかし、カッコいい。男が観ても女が観てもカッコいい。。不良感あふれるアウトローな悪魔祓いという難しい役柄を見事にこなしている。
また、絵作りへのこだわりとして垣間見えるのは、見事なカメラワーク。重要な部分は徹底して広角マクロ(広い画角で接写して撮影することにより、被写体の存在感を強調させる)である。写真家としてはやはり、どのような焦点距離のレンズをどういったタイミングで使っているかはとても気になる。というかストーリーよりも絵を見てしまうことが多い。
悪魔付きされた少女の除霊のシーン一つとっても、悪魔に憑依された少女の叫びの臨場感や、それに何事もないように冷静に対処するコンスタンティンの映し方は見ものである。かなり、頻繁にカット割りされており、アングルも秒単位で変わるが、それが現場の臨場感であったり空気感を伝える非常に重要な役割を果たしている。間違いなく精鋭のクルーが作り出した作品だ。
また、全体的にテンポがよく、ストーリーが展開していくごとに、引き込まれる要素(絵、音楽、物語)があるため、初見でもしっかりと見ることが出来ると思う。ストーリーのあらすじに関しては、あえてあまり触れずにおこうと思う。キアヌ・リーヴス好きの人、エクソシストが好きな人、全体的にファンタジーの要素も多く詰め込まれた映画のため、R15となってはいるが、幅広い人に楽しめるよう工夫された良作だと思う。